新年度に先立つ春の休廷期間中、
友人のお子さんの国語を見る機会がありました。
その備忘を兼ねて、ポイントを書き残したいと思います。
まず、テストのときに、真っ白な解答用紙を目の前にして
本人がどういう思考経路を辿って、答えを出したのか。
これが把握できないと、なぜ間違えたのか、理由がわからず、
修正することもできません。
どうしてこうなった?のかを順番に確認するのが大事です。
次に、間違えた理由を「その場限り」で修正するのではなく
「汎用性のあるやり方」で、修正する。
例えば
感覚だけで「こっち、あっち」とやっていては、ダメで
「こちらが正解であることが、第三者にも納得させられる
理由をもって説明できる」「だから、こっちの選択をした」
ということでなければ、なりません。
教科書の答えを丸暗記してしまうことは、汎用性がなく、
意味がありません。
さて、もう一歩踏み込んでみます。
「きちんと説明できる」と自分が誤信してしまい、
その結果、回答を誤ってしまった。
そんな場合はどうしたら良いか。
まず誤信した理由を確認しなければなりません
(この文章の第2段落に戻る)。
順序立てて一つ一つ分析していくと、意外と理由が
はっきり分かることがあります。
この訓練を繰り返していくと、自分の回答が
客観視できるようになってきます。
少し引いた視点で(俯瞰的に)問題に接することが
できるだけでも、正答率は一回り上昇します。
ただ、一般的には訓練を繰り返した経験が、極めて乏しい
というのが実際のところではないでしょうか。
そのような場合、
いわゆる「地力」の勝負になってしまいます。
国語の場合、小中高まで全ての段階で「地力」が
相当物を言うことは否定できません。
しかし、上記の「訓練」を通じて、回答に至るまでの
思考の検証、確認を繰り返すことで
「地力」だけの勝負にさせないように、
経験を上乗せしてあげる(検証者として、親か誰かが
見てあげられると良いです)ことができます。
そうした経験(訓練の成果)は、付け焼刃の丸覚えではなく
汎用性のある順序立てた考え方、として、真っ白な答案用紙の
前に一人で向かったときに、きっとご本人を助けてくれる筈です。
これも地力を鍛えているのだと言えば、そんな気もしますが
何か言葉遊びになってしまいそうですので、この辺で。

写真は、今年3月、弁護士会東三河支部(豊橋市)隣の神社の桜です。
今はもう葉桜に。
弁護士 菅生法律事務所(豊橋市)